2013年10月26日土曜日

起業した会社の今


私がシリコンバレーで起業した会社は、うまくいっているようで、先日も以下のような発表がありました。
http://www.prweb.com/releases/mOasis/News/prweb11200961.htm

福島のためにつくそうと自分の会社は退職しましたが、それでも自分の会社がうまくいっていると、とても嬉しい気持ちになります。

上記のプレスリリースにもありますが、私が自分の後任に雇ったEBayの元最高執行役にかわって、モンサント出身の農業業界のCEOだったスティーブという方 が、私の起業したモアシスのCEOになります。

こちらの水ビジネスのカンファレンスでも、スタンフォードビジネススクールの卒業生が起業した会社として紹介され、「スタンフォードMBAの卒業生のビジョンはすべて当たっていた」と紹介されたようで、参加したプライベートエクイティの友達が後で教えてくれました。

いつの日か砂漠がすべて畑に変わる日がくれば、世の中が変わると思うのですが。

エッセイで使える引用句

MBAのエッセイは、引用で書き始めると効果的であることが多いのですが、スタンフォードビジネススクールの場合には、例えば以下の引用は効果的です。

  1. "What does not destroy me, makes me stronger." – Friedrich Nietzsche, 1844-1900
  2. "Great works are performed not by strength but by perseverance." Samuel Johnson 1709-84.
  3. "Sweet are the uses of adversity." – William Shakespeare, 1564-1616
  4. "When it’s darkest, men see the stars." – Ralph Waldo Emerson, 1803-1882
  5. "Success is how high you bounce when you hit bottom." – General George S. Patton, 1885-1945
  6. "When the well’s dry, we know the worth of water." – Benjamin Franklin, 1706-1790
  7. "A certain amount of opposition is a great help to a man. Kites rise against, not with the wind." – John Neal, 1793-1876
  8. "Success is going from failure to failure without a loss of enthusiasm." – Anon
  9. "He knows not his own strength that hath not met adversity." – Ben Jonson, c. 1573-1637
  10. "Life is not always a matter of holding good cards, but sometimes playing a poor hand well." – Jack London, 1878-1916

引用元:http://www.linkedin.com/today/post/article/20130907072209-11846967-10-quotes-all-entrepreneurs-should-memorize

2013年10月20日日曜日

特殊能力について考えたこと


小学生の頃、本屋さんで参考書を手にとって眺めていたとき、「ここに書いてあること全部が手にとるだけで頭に入れば、時間が節約できて良いのにな」と思ったことを覚えている。

その当時は、魔法のように感じられた。

しかし、大人、特に社会人であれば、それに近いことができる方は、少なくないだろう。一瞬とはいわずも、立ち読みで本は十分という人は少なくない。

私の場合には、司法修習生のときに能力が身についた。



上司である東京地裁の裁判官が、文書を字としてではなく、絵として写真のように頭に刷り込んで、一瞬かつ正確に事件記録を読んでいくのをみて、教えて欲しいと頼み込み、真似をして、ある程度の速読法を身につけた。



裁判官流速読は、「見る」能力(文書を読む時に、左脳でなく右脳で見る)だが、「聞く」ことによる特殊能力もある。

絶対音感は、エレベータの音が音階で聞こえて、気持ち悪いらしいので、それよりは、聖徳太子のように、いっぺんに複数人の声が聞き分けられる能力の方が良い。

「話す」能力としては、同時通訳があるだろう。

以上は、いずれも努力次第で努力家なら、トレーニングで身につけられそうだ。

究極の努力家、アインシュタインは、およそあり得ない特殊能力を得ることに成功した。



それは、「妄想」(「思考」というべきか)による特殊能力といえると思う。

彼は、特許庁の審査官だった時代に、審査をしながら、常に、「自分が⚪️⚪️だったら」という妄想をしていたらしい

そして、「自分が光だったら、どのように感じるだろう」と妄想(思考)をした結果うまれたのが、特殊相対性理論といわれている。

読者の皆様も、満員電車にのりながら、つり革の広告の企業の業績をあげる手法を考えたり、お店の商品をみながら、新しい起業のアイディアを考えたり、食べながら考え事をして怒られることはあるのではないだろうか。本居宣長も、常に考え事をしていたので、日常生活が疎かになり、変人扱いされたらしい。

しかし、そのレベルを超えて、アインシュタインのように、非常に複雑な作業をしながら、全く別の「思考」をすることができれば、仕事の時間も自分の思考に使えるのだから、人生が2倍になるだろう。

2013年10月9日水曜日

外資系(米国本社)での昇進・給料交渉

 
私も、米国企業に就職して約一年、そろそろ、昇進と給料アップが欲しくなった。

ご存知のとおり、「ひたすら忍耐」の日本社会と違い、米国社会では、交渉しない者には、昇進と給料アップはない。だから、ビジネススクールの交渉の授業にも人気が出るのである。

そこで、今回は、昇進・給料アップの方法を紹介しよう。

1.ダメな例

まずは、アメリカ人に、よくあるダメな例を紹介しよう。


マッチョなアメリカ人で、ろくに給料アップ交渉をしたことがない人(軍人に多い)は、以下のようなロジックで勘違いをする。

雇用者が給料アップをするインセンティブは、辞められないことである
したがって、「辞めてやる」とオファーをちらつかせながら交渉しなければならない
また、
自分が辞めると、いかに会社が困ったことになるかを分からせなければならない

したがって、喧嘩腰で、「俺はお前がいなくても困らない。でもお前は、俺がいなると困るだろう」と交渉するのが良い


本当にこういう交渉が多いのである。

しかし、雇用者の側は、上記のような話をされても嫌になってしまうだけである。

使用者がむかついて、給料交渉の結果、従業員が首になった例もある。


2.良い例


スタンフォードビジネススクール時代のコーチのヒューに電話して、どうしたらよいか聞いてみた。ヒューは、ヒューレットパッカードの副社長のコーチもしている実力者だ。

ヒューによると、「フィードバックが欲しい」と話を持ちかけるのが良いそうである。


上司からすると、部下から、

「出来ているところ・出来ていないところ」をフィードバックして欲しい

と相談されると、悪い気はしない。

普通のアメリカ人の上司であれば、

「向上心があり、素晴らしい」

という評価になる。

さらに、その過程で、自分のことをうまくアピールできれば、

「そういえば、この人は辞めると困る」

ということになる。

そこで、「実は、これだけ貢献したのですから、・・・」と給料アップと昇進アップを持ちかければ、アメリカ人は、嫌な気持ちはしない、ということらしい。


そして、スタンフォードビジネススクールでは、

「重要な会議の前には、必ず、メモをつくり、鏡の前で徹底的に想定問答をし、練習せよ」

という鉄則をたたきこまれる。



今回も、それを実践した。自分の貢献した点、足りないと思う点をまとめ、相手がついてきそうな点も紙にまとめた。そして、鏡の前で喋る練習をした。




そして、社長と交渉をした。


3.結果

結果、そこそこの昇進と給料アップとなったが、「こうなったら最高だな」というケースには到達しなかった。

徹底して準備したはずが、なぜベストケースにならなかったのか、考えて見た。

ひとつには、想定問答のつめが甘かったことがある。 しかし、より本質的な理由がある。

スタンフォードビジネススクールの交渉のクラスでは、マーガレット・ニール教授から、

「交渉では、どれだけAspirationを高くもつか」

が重要であると習った。

今回、「こうなったらよいな」というケースについて、「こうなるのが当然」と思えなかったのが、ベストケースに到達できなかった原因である。





 このことを、上記のヒューからは、別の言い方で、以下のように習ったことがある。

「オバマ 大統領のスピーチを聞いたことがあるかい?言葉の一つ一つに信念があるだろう?こういう話し方ができれば、それだけで相手を説得することが出来るよ。」

絵にするとこんな感じだろうか。
 


一言にすると単純で、信念を持つことが大切、ということである。