2010年5月29日土曜日

Stanford Business Plan Competition: 2位

本日、Stanford大学のBusiness Plan Competitionの決勝戦(5チームが戦う)がありました。ヒューレットパッカードのパッカードファウンデーションの元CEOをはじめとした審査員達の前でのプレゼン。気が引き締まります。


(30分のプレゼンを終えた後に、レセプションで1分間ピッチをしているところ。憔悴し切ってます。)

結果は、2位となりました。
ちなみに賞金500万円の内訳は:
1位 250万円
2位 160万円
3位から5位 各30万円
6位から80位 0円



プレゼン後に、色々な方から「凄く良かった」と言ってもらえ、髭剃りなど消費者向けの電子機器で有名なフィリップスからは、「投資を是非検討したいので、後でコンタクトしてくれ。投資を受けたくないという場合でも、人の紹介などで協力してあげるからコンタクトして」と名刺を渡されました。


(フィリップスから投資を是非検討したいと言われる。投資を受ける場合、今年Round1で1億。今年中に更に第2ラウンドで数億円の投資。しかし、Exitが3年後のM&Aになり、サイズも数十億円程度になるとのことなので、あまり自由にはやれないこととなる。)

プレゼンを終えた後、客席から拍手の他にブラボーの声があり、審査員(の一部)、観客、チームメンバーも「絶対勝ったね」と言ってくれたのですが、2位になったのは、どうやらその後にもっと上手くプレゼンをした人がいたようです。


(フィリップスの人達。その2。フィリップスはビジネスプランコンペティションのスポンサーのうちの一社。ほかにはセコイアキャピタルなどがスポンサーだが、当日彼らは来ていなかった。)

発音が日本人の私。プレゼン教育を受けてきたアメリカ人と違い、プレゼン自体をそもそもしたことが殆どないという有様。少し前はBusiness Plan Competitionでプレゼンしよう等と考えたことさえありませんでした。自分の強みだとは思わなかったのです。

しかし、結果は、2位。Stanfordには、ドアを叩き、自分を変えようとする人に対して、チャンスを与える力があります。特別な場所にいて、その恩恵を受けていることに、本当に感謝しています。実は、今回は、Stanfordのお陰で、以下の素晴らしい方々から、プレゼンの指導を受けていました。

・レイモンド(グーグル、アップル等のコーチ。エリックシュミットのコミュニケーションコーチでもある。)
・ジェリーワイスマン(マイクロソフトやシスコのコミュニケーションコーチ。まともにコーチをうけると数十万円するらしい。The Power Presenter: Technique, Style, and Strategy from America's Top Speaking Coachという本が有名。MBAに留学する前に読むとよいと思う)
・シュラム教授(Stanford MBAのコミュニケーションの教授)

彼らから「こうした方が良いよ」と言われた場所を、そのようにプレゼンすると、観客から必ず笑いが返ってきます。

彼らからどんなことを学んだのか、一番大きなポイント2つにしぼってご紹介したいと思います。

<プレゼンにはストーリーが必要>
プレゼンの出だしはストリー、統計、引用等で始める。
プレゼンの最中にもストーリーが必要。
例えば、以下のプレゼンは、肥満の方のストーリーをプレゼンの最中にうまく入れている(「彼女には後6年の命しかない」等とプレゼンしている箇所です)。


なお、普通はプレゼンターは、ストーリーを語るのにいくつかセンテンスが必要。しかし、オバマ大統領のプレゼンの域になると「hope is something...a skinny kid with a funny name who believes that America has a place to him」とセンテンスに満たないフレーズでストーリーを完結させることが出来る。

<エネルギーのレベルをコントロール>
よくプレゼンの教科書に書いてあるのは、「声の大きさを変化させましょう」「大きな声でプレゼンしましょう」ということ。しかし、レイモンドは、そういう教え方はしませんでした。

「プレゼンの最初はローキーではじめるんだ。一番後ろの観客が良く聞こえる範囲でね。君のプレゼンの場合、クライマックスは、君のプロダクトをポケットから出す瞬間だ。そこにドラマがなくてはダメだ。最初からそこに向けて、自分のエネルギーを上げていくんだ。」

なるほど。確かに、以下のスピーチを見ると、プロダクトを出す瞬間に向けて、ドラマを作って盛り上げていっています。
以下のプレゼンでは、終わりに向けてドンドン盛り上げていっています(最初から大声で怒鳴っていたら上手くなかったでしょうが、盛り上がって大きな声になるのは自然)。


以下のプレゼンでも、確かに盛り上がりがあります。一つ前のビデオと違い、短い時間でも小さな盛り上がりを作れる点が参考になります。


盛り上がりの作り方のパターンを上記のビデオで研究してみると、どうやら、
・声を大きくしている
・フレーズとフレーズの間のPauseを短くしていっている
・普段短いフレーズの文で話をしておいて、盛り上がりでは、フレーズにフレーズを重ねていくようなスピーチの仕方をしている

<その他> もっと学びたいという方は、是非、The Power Presenter: Technique, Style, and Strategy from America's Top Speaking Coachを。素晴らしい本です。

2010年5月3日月曜日

Stanford Business Plan Competitionで決勝に進出

Stanford大学で毎年行われるビジネスプランコンペティションに参加しています。
http://bases.stanford.edu/

一応CEOとして5人のメンバーを率いて申し込みをし、ほかの75チームを破って、決勝に進出しました。
ほかの5人のメンバーは、ジョンズホプキンス大学教授(70歳!)、スタンフォードのバイオ系のPHDの学生、Stanford MBAの1年生、ベルラボ出身の科学者、水の分野のアントレプレナー(50歳)。
多彩なバックグラウンドのチームを、一つの方向に向かわせて、リードするチャレンジを日々経験しています。

決勝進出の5チームは、公開講堂でプレゼンを行います。
ビジネスプランとプレゼンの良さに応じて賞金が配当され、また、優勝すると著名なメディアでスタートアップが紹介されることが多いようです。
今までの優勝チームは、殆どいずれも実社会で成功しているので、励みになります。