2009年12月31日木曜日

Kleiner Perkinsの5つの成功の法則

Kleiner Perkinsについて記載をしたついでに、彼らの投資基準を下に書いておきたいと思う。
一人のパートナーが9から11のポートフォリオにしか関与できないため、これらを満たさないスタートアップには投資しないらしい。

1. Leadership
2. Large and transformational market
3. Reasonable financing
4 Sense of Urgency
5. People who are missionaries but not mercenaries

1番目は分かりやすい。
2番目について、「マーケットがあれば技術のリスクはとるが、マーケットが大きくないとかReadyでない分野では投資しない」とコメントしていた。確かに、彼らのポートフォリオを見てみると、業界の第一人科学者から「その技術はうまくいかない」とコメントを受けた企業がある。
3番目について、スタートアップのファウンダーは、あるべきバリュエーションよりも高過ぎるバリュエーションを求めすぎることがある。これは単にカネを入れすぎることはできないというよりも、「そういう目先の欲深い人はそもそも成功しない」ということだと思う。例えば、最初のバリュエーションが高すぎるとRound B以降でファイナンスがつきにくくなってしまう。結局、IPOまでいけず、潰れてしまうことになりかねない。目先の欲にとらわれてはダメということなのだろう。
4番目について、競争者に勝って、最初に動かないといけないし、一番にならないといけない。そのために「何としてもやってやる」という気構えが必要との旨を話していた。
5番目について。金儲けが目的の人ではなく、世の中にバリューをつくりだすなど、別のより崇高なことが目的の人でないといけない。5番目については、John Doerrは、Mercenaryでもうまく行くと講演したことがあるが、自分が一緒に働くのなら、missionaryの方が良いとも講演していた。5番目については、以前紹介したJohn Doerrの愛読書のMonk and the Riddle: The Education of a Silicon Valley Entrepreneur (Harvard Business School press tip sheet)に更に詳しい説明がのっている。クライナーのパートナーが書いた本だ。

ここまで書くと、
「そんなの当たり前じゃないか」
と思われる方も多いかもしれない。

しかし、実際にいくつかシリコンバレーのスタートアップとプロジェクトをしてみて、5つ揃っていない企業は結構ある。

ある企業は、素晴らしい技術を持っていたが、上記の3番と5番に欠けていた。金儲けに走っているのが目に見えるのだ。有名なベンチャーキャピタリスト、Vinod KhoslaからTermSheetを提示されたのに、バリュエーションが低い、とはねた。その企業はまだプロダクトもなかったし、高いバリュエーションを期待するのは難しい。mercenariesにありがちなそうなのだが、チームにdiversityがなく、顧客よりも競争相手にフォーカスしてしまっており、さらに、ミッションやバリューよりもファイナンスの話が多い。こういったすべての帰結として、従業員もついていかず、上記の1番にも欠けてしまっていた。

ある企業は、日本の大企業よりも動くのがのろく、また、マーケットがとても小さかった。上記の2番と4番に欠けていたのだ。

スタンフォードの教授で、ヴェリタスのファウンダーのMark Leslie教授は、もう少し単純なことを言われていた。

「マーケットが悪くて、チームが良いときには、マーケットが勝つ。マーケットが良くて、チームが悪いときにもマーケットが勝つ。マーケットもチームも良いときには、何か特別なことが起こる」

たしかに、上記の2番目以外は、「チーム」という枠で人くくりにできる。

0 件のコメント: