2009年8月1日土曜日

スタンフォードGSB:インターン先で学んでいること

サマーインターンも約半分が終わろうとしておりますが、今のところ、何とか順調にやれています。いくつか学んだことがあります。

1 インセンティブ
 私に与えられた5つのプロジェクトは、例えば、いわゆる10倍テクノロジーのビジネスプランを書く仕事など、いずれも非常にチャレンジングで、興味深い内容でした。頑張ろうという気持ちがわいてきました。

2 チャレンジ
 せっかくアメリカのスタートアップで働けるチャンスが手に入ったのだから、どんな小さな仕事も一生懸命やろうと思い、平日家に帰った後も、土日も、専門書を読むなど、仕事に関係のあることを中心にして時間を過ごしていました。
 しかし、日本人の私は、顔も発音もアメリカ人とは違いますし、かなり苦労しました。例えば、最初は、社内でミーティングがセットしてあっても、(日本人だからなのかインターンだからなのか)私とのミーティングは最後まで後回しにされてしまい、予定時刻よりも数時間待って、業務時間終了間際となるのが当たり前で、中々仕事が前に進みませんでした。
 隣の席で、一緒にインターンをしている別のビジネススクールの学生からは、どうやら「こいつは発音も悪いし頭が悪いに違いない」と思われたらしく(注:私の勝手な予想です)、最初の数週間、(同じビジネススクールのインターンであるのにかかわらず)会話が「おはよう」「また明日」以外は全くありませんでした。これでもまだ良い方で、社内の科学者の中には、挨拶もしてくれない人もいました。
 しかし、頑張っているうちに、少しづつ、信頼されるようになり、ようやく会社の一員として認めてもらえるようになりました。CEOやCOOが皆の前で褒めてくれたことも、相当手伝った気がします。
 今では、ミーティングが遅れることもなくなり、隣の席のインターンの学生とも始終会話がはずむようになりました。
 それよりも何よりも、科学者が、一緒に座って、「なぜこのテクノロジーが優れているのか」何時間でも説明してくれるようになりました。
 教えてもらえるようになって、よくよく聞いてみると本当に凄いです。
 
 クリーンテクノロジーの進歩が、ナノテクノロジーの利用に関連するだろうということは良く言われています。蓄電の場合、一つのアプローチがナノワイヤーと呼ばれるテクノロジーで、物質を、ナノレベルで糸状にします。
 例えば、アンプリウスというスタンフォードのマテリアルサイエンスの学生の間で有名な会社があります。この会社は、リチウムイオン電池の負極に、ナノワイヤー状のシリコンを利用しています。今までは、リチウムイオン電池の負極にはグラファイトが使われていました。グラファイトの代わりにシリコンを使えば、シリコンはグラファイトの10倍以上エネルギーをためることができます。しかし、シリコンは電気をためると、5倍に膨張してしまうため、実際にはシリコンが広く負極に使われることはありませんでした。アンプリウスは、シリコンをナノワイヤー状にして負極に利用しました。こうすると、シリコンは電気をためても膨張せず、ナノワイヤーが伸びるだけになるため、従来の課題が解決されます。
 
 しかし、ナノワイヤーをアンプリウスのような方法で実現しようとすると、ナノワイヤー状にするのにコストや手間がかかるようです。実際にも、アンプリウスは、現段階では、大量生産への移行は出来ていないようです。

 私のいるスタートアップのテクノロジーは、別のアプローチで、ナノワイヤーと同じような結果を実現できます。その方法論は、詳細がかけないのが残念ですが、大変エキサイティングでした。

3 アイディア
 いくつか会社の持っているアイディアの分析をさせてもらいました。
 その結果、アイディアは、ひらめきに依存するだけではだめで、いわゆる「思いつき」の後に、時間をとって、しっかりと考える時間が必要であることを学びました。


 

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