2009年12月31日木曜日

Kleiner Perkinsの5つの成功の法則

Kleiner Perkinsについて記載をしたついでに、彼らの投資基準を下に書いておきたいと思う。
一人のパートナーが9から11のポートフォリオにしか関与できないため、これらを満たさないスタートアップには投資しないらしい。

1. Leadership
2. Large and transformational market
3. Reasonable financing
4 Sense of Urgency
5. People who are missionaries but not mercenaries

1番目は分かりやすい。
2番目について、「マーケットがあれば技術のリスクはとるが、マーケットが大きくないとかReadyでない分野では投資しない」とコメントしていた。確かに、彼らのポートフォリオを見てみると、業界の第一人科学者から「その技術はうまくいかない」とコメントを受けた企業がある。
3番目について、スタートアップのファウンダーは、あるべきバリュエーションよりも高過ぎるバリュエーションを求めすぎることがある。これは単にカネを入れすぎることはできないというよりも、「そういう目先の欲深い人はそもそも成功しない」ということだと思う。例えば、最初のバリュエーションが高すぎるとRound B以降でファイナンスがつきにくくなってしまう。結局、IPOまでいけず、潰れてしまうことになりかねない。目先の欲にとらわれてはダメということなのだろう。
4番目について、競争者に勝って、最初に動かないといけないし、一番にならないといけない。そのために「何としてもやってやる」という気構えが必要との旨を話していた。
5番目について。金儲けが目的の人ではなく、世の中にバリューをつくりだすなど、別のより崇高なことが目的の人でないといけない。5番目については、John Doerrは、Mercenaryでもうまく行くと講演したことがあるが、自分が一緒に働くのなら、missionaryの方が良いとも講演していた。5番目については、以前紹介したJohn Doerrの愛読書のMonk and the Riddle: The Education of a Silicon Valley Entrepreneur (Harvard Business School press tip sheet)に更に詳しい説明がのっている。クライナーのパートナーが書いた本だ。

ここまで書くと、
「そんなの当たり前じゃないか」
と思われる方も多いかもしれない。

しかし、実際にいくつかシリコンバレーのスタートアップとプロジェクトをしてみて、5つ揃っていない企業は結構ある。

ある企業は、素晴らしい技術を持っていたが、上記の3番と5番に欠けていた。金儲けに走っているのが目に見えるのだ。有名なベンチャーキャピタリスト、Vinod KhoslaからTermSheetを提示されたのに、バリュエーションが低い、とはねた。その企業はまだプロダクトもなかったし、高いバリュエーションを期待するのは難しい。mercenariesにありがちなそうなのだが、チームにdiversityがなく、顧客よりも競争相手にフォーカスしてしまっており、さらに、ミッションやバリューよりもファイナンスの話が多い。こういったすべての帰結として、従業員もついていかず、上記の1番にも欠けてしまっていた。

ある企業は、日本の大企業よりも動くのがのろく、また、マーケットがとても小さかった。上記の2番と4番に欠けていたのだ。

スタンフォードの教授で、ヴェリタスのファウンダーのMark Leslie教授は、もう少し単純なことを言われていた。

「マーケットが悪くて、チームが良いときには、マーケットが勝つ。マーケットが良くて、チームが悪いときにもマーケットが勝つ。マーケットもチームも良いときには、何か特別なことが起こる」

たしかに、上記の2番目以外は、「チーム」という枠で人くくりにできる。

2009年12月30日水曜日

Stanford MBAの教授は日本をどう見ているか

スタンフォードビジネススクールへの出願の追い上げの時期だ。
私も2年前のクリスマス頃の時期には、エッセイを書き直して書き直して過ごしていたことを覚えている。

そういう時期なので、Stanford GSBの教授が、
「日本についてどう見ているのか」
について書いてみたい。

スタンフォードビジネススクールの元Dean(学長)であるRobert Joss。
授業を取って以来、顔を覚えてもらい、自宅の豪邸にも呼ばれた。スタンフォードビジネススクールでは、教授が学生を家に呼び、学生が教授をコーヒーやランチに誘うなど、教授がapproachableなところに特徴がある。

彼が日本の朝日新聞のシンポジウムの討論会に出て帰ってきた後のこと。
朝日新聞が彼の発言をどうまとめたのか、「翻訳してくれ」と部屋に呼び出された。

私:「読んでみました。(冗談で)レピュテーションを下げるような発言はありませんでした。」
Bob:「笑。それよりも、Y.I.、日本にいったが、元気がなくてびっくりしたよ。アメリカは、不景気だけど、『自分たちならできる』という精神を忘れていないし、元気だぞ」
私:「日本は、起業家が社会的にまだまだ評価されていないと思います。青色LEDの発明者は、『日本で起業して失敗したら自殺しなくてはいけない』と演説したそうです。もっと、日本人の合格者を増やしていただけると嬉しいのですが。」
Bob:「日本のGDPが世界で2番であることを考えると、できれば3人よりは合格者を増やすべきだ。起業もいいけど、私は、日本の問題は、企業の組織のマネジメントにあると思う。」
Bob:「日本はモノづくりはうまい。しかし、チームとか、組織のカルチャーとかは、まだまだだと思う。例えば、会議で若い人達が下を向いて発言をしないのでは人材の無駄づかいだ。スタンフォードビジネススクールに、それを変えられる人に来て欲しい。」
Bob:「あと、日本のサービス産業は、世界のレベルと比べて低いよね。」

Bob Jossは、Deanの前には、ウェルズファーゴ銀行の幹部、オーストラリアで最大の銀行のCEOなどで働いた経歴を持つ。今は、シティバンクの取締役だ。

別の教授Edward Lazearからも同じようなコメントを受けた。
彼は、元大統領経済諮問委員会委員長だった。アメリカの大統領に対して経済のアドバイスをする人の中で、一番偉い人だ。

教授「日本の景気(注:失われた10年のことを指し、リーマンショックのことを指していない)は、随分前に回復している。日本政府が、銀行に対して打ち出した政策は、遅くはあったが、成功したんだ。リーマンショックのとき、私がアメリカ政府にいたときには、日本政府が当時打ち出した政策を真似したんだ。ただ、日本のように遅い段階でしたのではなく、物凄いスピードで実行したんだ。結果は素晴らしいと思う。アメリカの景気は随分前から上向きに回復してきているよ。」
教授「日本にとっての誤算は、中国をはじめとした他のアジアの国の台頭だ。彼らが、ものづくりの競争に入ってきた。これらの国に対して、これから日本がものづくりの競争に勝っていくのは、私にはどんどん厳しいと思う。サービス産業に移行すべきだろう」
教授「サービス産業に移行すれば、人材の流動性も進む。ものづくりのスキルよりもサービス産業のスキルの方が、industry specificじゃないからね。」

大統領アドバイザーだったほどの教授の授業をとれるのは本当に幸福なことだ。
しかし、サービス産業に移行すべきだというのはどういうことだろうか。

元インテル3代目CEOで「経営の神様」と呼ばれるアンディ・グローブ。
彼は、今でもスタンフォードビジネススクールで教鞭をとっている。

そんなアンディ・グローブの授業をとる機会に恵まれた。電気自動車とクリーンな石炭の分野で、どのような戦略行動(Strategic Action)をとるべきか、という授業だ。

彼が授業で強調した概念の一つが、ストラテジックインフレクションポイントという概念だ。(詳細は、インテル戦略転換を参照されたい)

これは、技術、競争、サプライヤーパワー、バイヤーパワー、Substituteなどが飛躍的に変化する(10X Forces)と、それが様々な変化を呼び、幾何級数的な変化を引き起こし、結果、従来通用した競争の方程式が、通用しなくなり、新たな競争の方程式に適用できた企業は生き残るが、適用できなかった企業は痛い目を見る、という概念だ。

良くあがる例が、チャップリンとウォルマート。技術の飛躍的な変化で、無声映画に対して、音声映画が可能となったとき、変化に適応せず、無声のパントマイムにこだわった役者達は痛い目を見た。また、ウォルマートが町にやってくると、「競争」に10X Forceが生じる。町の小さな店は、今までのやり方で競争するのではなく、例えば「文房具にフォーカスする」といったストラテジックな変化をする必要があるというのだ。

アンディ・グローブは、ストラテジック・インフレクション・ポイントの概念が国家のレベルでも通用すると考えていた(これをSelf-Similarity Across Scaleというらしい)。

「中国や韓国の台頭で『競争』に10X Forcesが生じ、Strategic Inflection Pointとなった。日本にとって競争の方程式が変わった」Edward Lazear教授はそのように考えたのかもしれない。

しかし、現実問題として、日本は、世界のほかの国と言葉とカルチャーが違うから、サービス産業での競争にはハンデがつきやすいのではないか。しかも、百歩譲って、サービス産業に移行するとしても、具体的には何なのか。

そう質問しようとしたとき、Lazear教授は、「記者会見があるからまたね」と去っていってしまった。

Stanford MBAの学生の『憧れの職業』

「Y.I.、クライナーパーキンスって知っている?最近はじめて名前を聞いたよ~」

ベトナム人のクラスメートに言われて驚いた。まさかシリコンバレーの中心で、クライナーパーキンスを知らないスタンフォードビジネススクールの学生がいるとは。。。

「意外と知られていないのかな」
そう思って日本の友人に聞いてみると、意外と
「クライナーって何?」
という反応。

そこで、一度クライナーパーキンスについて、簡単に書いてみることにした。

シリコンバレーでクライナーパーキンスは知らない人がいないくらい有名な存在。
世界でトップのベンチャーキャピタルの一つだ。

そのトラックレコードを下にまとめてみた(クライナーパーキンスのパートナーJohn Doerrが2009年に公表したものをそのまま翻訳している。ただし、1ドル100円で換算)。

・Annual Revenue:10兆円
・時価総額:50兆円
・33年間で475件に投資。
・今までに173件がIPO。163件がM&AでExit。

日本の国家予算が85兆円くらいだと思われる。
Annual Revenueは、その約9分の1、時価総額はその半分以上。
33年間で475件に投資して、336件がIPO又はM&AでExitしているということは、少なく見積もっても、約70%がきちんとExitしていることになる。実際には、成功率はもっと高いはずだ(不況の中で好景気になるまでIPOを待っているポートフォリオや、まだ投資して間もない初期の段階にあるポートフォリオがあるだろう)。

John Doerrは、「自分の仕事は、投資家から投資された金額を10倍にして返すことだ。そして、今までは、それに成功してきた」と話す。

「自分のお金を10倍にしてくれる」のであれば、誰でもクライナーパーキンスにカネを入れたくなる。
しかし、クライナーパーキンスに投資するのは難しい。とても閉鎖的なコミュニティなのだ。会ってもらうのさえ難しい。日本の投資家で、「クライナーにカネを入れることができた」という例は聞いたことがない。『やっと会ってもらえた』と興奮する例はある。

クライナーは、創業初期の段階から、グーグル、アマゾン、AOL、コンパック、ジェネンテック、Intuit、サン・マイクロシステムズ、ネットスケープ、ロータスといったそうそうたる企業に投資して、育て上げてきた。

クライナーが投資をして育てた会社は、どうなったか。
例えば、1994年にクライナーのJohn Doerrは、ネットスケープに4億円を投資した。昔、スタンフォードビジネススクールのアンディ・グローブの授業中に、John Doerrが、ネットスケープに熱狂していたことは今でも語り継がれている。そのときアンディ・グローブは、「ネットスケープは、ネットの歴史で脚注くらいの存在になるだろう」と反対したそうだ。結局、ネットスケープは、4000億円で買収された。
グーグルに対する投資の際には、20%の株式を25億円で取得。その後、グーグルの時価総額は一時期10兆円をつけた。
アマゾンでも、投資額が55000%となったといわれている。

クライナーのチームには、アルゴア元副大統領、パウエル元国務長官といった政治家もいれば、サン・マイクロシステムズを創業時から一流企業に育て上げたCTOのBill Joyなどの技術家、オラクル(世界No2のソフトウェアの会社)の社長兼COO出身のRay Laneなどのビジネスマンもいる。

「クライナーパーキンスのパートナーにいつかなりたい」というのは、多くのスタンフォードビジネススクールの学生の普通の心情だ。クライナーのパートナーは、スタンフォードビジネススクールの学生にとっても憧れの職業なのだ。しかし、ビジネススクールを卒業してすぐには、会うことは出来てもパートナーにはなれない。卒業後に「1年くらいしたら辞めます。単なる経験として働いてみたい」と話せば、プリンシパルのレベルであれば、雇ってもらえる例がある。しかし、彼らがパートナーにのぼっていくことはないだろう。パートナーになるのは、アルゴアのようにずば抜けた人か、クライナーのポートフォリオで、(投資ではなく)マネジメントをした経験のあるアントレプレナーなのだ。横からパートナーになるのが通常だ。

それもあって、スタンフォードビジネススクールでは、「若くて元気のあるうちには、起業して苦労して、年をとって疲れたら、クライナーなどのベンチャーキャピタルで、投資をして、ポートフォリオを助ける」というキャリアパスを理想と考える学生が多い。

そんなクライナーも最近クリーンテックに対する投資をはじめた。
今ではクリーンテクノロジーで50のポートフォリオを持つ。
しかし、一見すると、苦戦しているように見えた。
・例えばポートフォリオのBloomenergyは、燃料電池の会社。しかし、秘密主義で有名だ。スタンフォードビジネススクールを出た従業員に対してさえ、情報をあかさなかった。こうした態度から、「秘密にするということは何もないのだろう。何かあれば情報を出すはずだ」という噂がスタンフォードで囁かれるようになった。さらに、「燃料電池って、随分前から『実現まであと10年』と言い続けられて来たけど、結局何10年たっても実現しないし、今でも『実現まであと10年』っていわれているよね」という声も出るようになってきた。
・AusraはSolar Thermalの会社。Solar Thermalというと格好良いが、要は、太陽光をレンズで集光して水を沸騰させ、その蒸気でタービンを回すという原理だ。1年位前に、マネジメントが、「今のままではコスト面で勝てない」と弱音を吐いたという噂がシリコンバレーで囁かれた。
・Fiskerはプラグインハイブリッドカーの会社だ。しかし、日本の自動車の大企業などと正面衝突するのだろうか。。。何か物凄いCompetitive Advantageがあるのであれば別だが、そういう情報は少なくともスタンフォードのレベルには入ってこない。「大丈夫なのかなぁ」という気持ちになってくる。
・また、バイオ燃料の会社に大量に投資をしている。しかし、スタンフォードのノーベル賞を受賞した教授は、バイオ燃料が、CO2排出量を減らすのは難しいという旨を熱弁していた。また、バイオ燃料の会社を一流にするのは200億円程度の投資が必要といわれており、Capital Intensiveだ。
・唯一、最近シリコンバレーでIPOの噂が囁かれるSilverSpringNetworksに対しては、創業初期に投資をすることができず、最近になってようやくカネを入れた。
また、クライナーのクリーンテクノロジーのポートフォリオでIPOした会社があるという話はあまり聞かない。

しかし、百聞は一見に如かず、実際に働いてみようということで、クライナーの会社で数ヶ月間くらい働いてみた。
もとサンマイクロシステムズのCTOであるBill Joyがリードインベスターの会社だ。
ステルスモードの会社なので、詳細は記載できないが、確かに凄い。
他の多くのベンチャーとはレベルが違った。
電池のコストが馬鹿げているほど安いのだ。
「もしかすると本当に世界を変えるかもしれない」と感じた。

さて、そんなクライナーパーキンスで、トップの投資家と言われているJohn Doerrの愛読書のリストと「スタートアップ成功マニュアル」を手に入れた。

まず、彼の愛読書は、以下のとおりだ。

Startup: A Silicon Valley Adventure Story

Monk and the Riddle: The Education of a Silicon Valley Entrepreneur (Harvard Business School press tip sheet)

Good to Great: Why Some Companies Make the Leap...And Others Don't

Banker To The Poor: Micro-Lending and the Battle Against World Poverty

The World Is Flat: A Brief History of the Twenty-first Century


Hot, Flat, and Crowded: Why We Need a Green Revolution-and How It Can Renew America

An Inconvenient Truth: The Planetary Emergency of Global Warming and What We Can Do About It

Our Choice: A Plan to Solve the Climate Crisis

そして、彼のスタートアップ成功マニュアルは、以下のとおりだ。

スタートアップ成功マニュアル

2009年10月23日金曜日

スタンフォードGSB Japanグループの参加への御案内

Stanford.GSB.Japanというスタンフォードの卒業生、在校生、出願予定者のためのグーグルグループを試験的に作成致しました。

【特徴及び機能】
・スタンフォード(ビジネススクール以外も含む)の卒業生、在校生、出願予定者であれば、他のメンバーに迷惑を及ぼす恐れがない限り、基本的に誰でも参加できます。
・メーリングリスト機能がありますので、メンバーであれば誰でも、質問等を投稿でき、メンバー間で情報交換ができます。また、在校生からスタンフォードに関する情報が届きます。
・その他Discussion Boardなど、グーグルグループの一般的な機能が使用可能です。

【グループへの参加方法】
グループにはメーリングリスト機能がありますが、メンバーに対する迷惑メールを防止するため、グループに参加するためには、以下の情報を、
stanford.gsb.japan@gmail.com
までお送り下さい


・御名前
・現在の所属先部署を含む簡単なバックグラウンド
・件名に、「スタンフォ
ード」という文字を含めて下さい。

手動で招待をお送りしますので、時間がかかるかもしれませんが、御容赦下さい。また、記入漏れがある場合には、グループへの登録を致しません。なお、当然ですが、上記情報を第三者に対して無断で開示することはありません。

【ディスクレーマー】
他のメンバーに対して迷惑となる行為(例:迷惑メール)をされたメンバーについては、発見し次第、グループから削除させて頂くことがあります。
これは試験的な試みですので、私個人への質問が多くなるなど、管理しきれなくなった場合には、グループを無断で閉鎖する可能性があります。
stanford.gsb.japan@gmail.comは、私が個人として使用しているメールではありませんので、こちらにメールを御送信頂いても、私からの返信はございません。

2009年9月20日日曜日

何があなたにとって、最も大切ですか

"Life isn't a game that has a final score. Nor a riddle that has an answer. Nor a mountain that has a summit."
"Life is an endless unfolding, and if we wish it to be, an endless process of self-discovery, an endless and unpredictable dialogue between our own potentialities and the life situations in which we find ourselves."
(Gardner, “Personal Renewal” p51)

"[W]e want meaning in our lives."
"You have to build meaning in your life, and you build it through your commitments."
"You may commit yourself to strive for certain achievements or you may commit yourself to a way of being. There are men and women who make the world better just by being the kind of people they are. It matters very little whether they're behind the wheel of a truck or running a corporation or bringing up a family."
(Gardner, “Personal Renewal” pp47-48. For "There are men and women who make the world better just by being the kind of people they are," see http://www.gsb.stanford.edu/news/headlines/joss_essay.html

Then, how do you want to be?
Is it discipline, unselfishness, courage, optimism, chivalry, hope, never give-up, respect, trust, humility, loyalty or something else?

Shackleton: "Some people say it is wrong to regard life as a game; I don't think so"
"Life to me means the greatest of all games. The danger lies in treating it as a trivial game, a game to be taken lightly, and a game in which the rules don't matter much. The rules matter a great deal. The game has to be played fairly, or it is no game at all. And even to win the game is not the chief end. The chief end is to win it honorably and splendidly. To this chief end several things are necessary. Loyalty is one. Discipline is another. Unselfishness is another. Courage is another. Optimism is another. And Chivalry is another."
"The only message I can think of for your boys is: in trouble, danger, and disappointment never give up hope. The worst can always be got over."
(Morrell & Capparell, Shackleton’s Way, Viking (2001) pp. 209-211)


Robert Joss: "...you’ll learn that it’s not about power or fame or fortune, but about the immense satisfaction that comes from moving an organization in the right direction. You’ll have to take responsibility, assess the onslaught of data and opinions available to you, set a strategy, and keep your organization on course. You’ll also have to earn the respect and trust of your employees so that they follow your lead. And, you’ll have to work to retain your humility, your ethical vigilance, and your sense of purpose. As you prepare for your second year at the GSB, think about what more you can learn in order to better prepare yourselves for this exciting and significant challenge. "
(Robert Joss, former dean of Stanford GSB)

Gardner: "Meaning is not something you stumble across, like the answer to a riddle or the prize in a treasure hunt. Meaning is something you build into your life. You build it out of your own past, out of your affections and loyalties, out of the experience of humankind as it is passed on to you, out of your own talent and understanding, out of the things you believe in, out of the things and people you love, out of the values for which you are willing to sacrifice for something. The ingredients are there. You are the only one who can put them together into that unique pattern that will be your life. Let it be a life that has dignity and meaning for you. If it does, then the particular balance of success or failure--as the world measures success or failure--is of less account."
(Gardner, “Personal Renewal” p53)

(受験生の方への注:今回からコピーペーストしてエッセイを書いた場合、恐らく不合格となると思います。なぜなら、グーグルアナリティクスで分析する限り、スタンフォードビジネススクールの受験生の殆どが、本ブログを読んでいると思われ、必ず1人はコピーペーストをする人がいるはずだからです。二人が、本ブログに記載されているようなマイナーな文句について、同じ引用をした場合、2人とも不合格になるのは確実だと思います)

2009年9月17日木曜日

スタンフォードMBA合格法:エッセイ

Pollでのリクエストの数が本日付で7人と多いようなので、Stanford MBAの合格法を書きたいと思います。

Stanford GSBの合格法に興味のない方には、全く面白くないと思いますので、今回は読み飛ばして下さい。また、Stanford Sloanを受験される方も、私にSloanの合格法が書けるとは思えませんので、今回は読み飛ばして下さい。

最初に質問です。以下のうち、Stanford MBAに合格するアプリカントは誰でしょうか。

1:Aさんは、投資銀行に勤務して、日本最大級のM&Aのディールをリードした経験がある。今は著名なヘッジファンドでスタープレーヤー。学生時代に会社を3つたちあげて、3つとも売却した経験がある。
2:Bさんは、会社に失望して退職し、今は山にこもって仙人のような生活をしている。
3:Cさんは、プライベートエクイティに勤務していたが、自分は実は俳優業に興味があることが分かり、退職した。職を探して転々として無職のときに、Stanford GSBを受験した。

AさんやBさんのような人がStanford GSBを受験したかどうかは知りませんが、私のクラスメートには、Cさんのような人がいます。ちなみに、バークレーでは、Bさんのような人が合格したことがあるそうです。

Stanford MBAのエッセイを書くときに、良くある間違えは、achievementを強調し過ぎてしまうことだと思われます。Aさんのような輝かしい経歴があっても、エッセイにachievementばかりを記載すると落とされると思われます。

これは何故かを考えてみたいと思います。

まず、Stanford GSBのミッションを見てみてください。
http://www.gsb.stanford.edu/about/mission.html

次に合格基準を見てみてください。
http://www.gsb.stanford.edu/mba/admission/admission_criteria.html

この2つを総合して分かることは、Stanfordとしては、受験生が、ミッションに記載してあるような人物に、卒業して10年、20年後になる可能性があるかを見ているということだと思われます。

そのために、「あなたにとって一番重要なことは何ですか」というようなパーソナリティを問うエッセイが、メインエッセイになっているのだと思います。というのも、例えばintellectual curiosity(合格基準でもあります)などのパーソナリティの中には、本質的に、大人になってからの教育で変えることが『難しい』ものがあるからです。(注;パーソナリティには、「これが良くて、あれが悪い」というようなものは本来ないのかもしれませんが、例えば、intellectual curiosityがない場合には、(合格基準から推測されるように)Stanford MBAの教育やミッションにはフィットしないという方向に推測が働くということだと思われます。もう一つ注意すべき点は、仮に例えばintellectual curiosityがないとみなされても、これだけでは落とされないということです。良く言われることですが、アプリケーションを総合して判断がなされます。そして、「intellectual curiosityがない」などの一部の要素だけでmissionにあるような人物になるポテンシャルがあるかどうかを判断することはできないと思われます。最後にもう一つ、パーソナリティの多くは、intellectual curiosityを含めて、大人になってからの教育で、変えられるものと考えられますし、実際に多くのクラスメートのパーソナリティは変化しています。以上、当たり前なのですが、念のための注でした)

Stanford MBAとしては、「誰が、ミッションに記載してあるような人物に卒業後数十年してなる可能性があるのか」という『ポテンシャル』を見ているのだということを忘れてしまうと、メインエッセイでachievementばかりを記載してしまって、
「この人は、経歴は凄いけれど、パーソナリティが分からないから、我々の教育で伸びるかどうか分からない。それに、もしかするとarrogantかもしれない。そもそも、そんなに凄い経歴があるなら、我々の教育を受ける必要はないのでは。」
などと思われてしまって、落とされる可能性が高いのではないかと思われます。

それでは、ポテンシャルがあることは、どのようにしたら示せるのでしょうか。
これを考えるにあたって、以下の文献は、Admissionの視点に立つという意味で、参考になるように思われます(実際にスタンフォードで使用されている教材です)。

Kotter, John P. (1990) “What Leaders Really Do,” HBR R3820

Goffee & Jones, (2000) “Why should anyone be lead by you?” HBR R00506

McCall (1998). “Experience as Teacher,” High Flyers: Developing the Next Generation of Leaders, HBS Press


ぱっと思いつく「受ける」パーソナリティをあげると、intellectual curiosityのほかには、compassion, trust, optimism, empathy, confidenceの強さなどでしょうか。逆に受けないパーソナリティは、例えば、arrogantな気がします。

manipulativeになる必要はないのですが、上記の文献を読んで、アドミッションに「受ける」パーソナリティや「ストーリー」を意識しつつ、自分を信じて、素のままの自分のパーソナリティを書くのが良いと思います。

これをするにあたって、例えば、10歳くらいのときの経験のうち、印象に残っている出来事を考えてみて、それが自分の人格形成にどう影響を与えたか考えてみると良いかもしれません。例えば、以下のような感じです(実際のクラスメートの例です)。

・「自分は、10歳の夏に、はじめて『ビジネス』を経験した。アイスキャンディーを仕入れてきて、売るという単純なものだった。その過程で、いろいろな人と話をし、自分には、セールスの才能があることを学び、自信がついた。その自信は、次のセールスに結びつき、最終的に、学生時代に起業した際に、とても役に立った」
・「自分は、10歳のときに、クラスメートの女の子が、いじめにあって、雪をぶつけられているのを発見した。自分は、なぜかは分からないが、立ち上がって、クラスメートを救わなくては、という気持ちになった。この経験は、自信をつけ、正義のために立ち上がり、courageがあるというパーソナリティの形成に大きく貢献した」

なお、achievementを書くべきではないという趣旨ではございません。念のため。