Hard Thing about Hard Thingsの著者のベン・ホロウィッツは、会社の株価が1株1ドルよりも下がって、取引所から1ドル以上にできなければ、上場廃止にすると言われた時に、株式の合併をすると、「弱く見える」という理由で、株式の合併をせずに、かわりに、大手投資家を説得するという"Hit the Road"をしたそうだ。
When the arc of progress seems slow, remember: America is not the project of any one person. The single most powerful word in our democracy is the word "We". "We the People" "We shall overcome"
Yes, we can.
トランプが大統領になったのは、Back To The Futureの未来の世界の次の年だ。
昔映画をみていたときには、未来のその頃には車は空を飛べるのだろうか、とか考えていたが、結局、空を飛ばなかった。
トランプを怖がる人も多い。2015年の秋に、将来を予言しようという話になって、Accidental Super Powerという本を起業家の友達が勧めてくれた。アメリカは大国なので、戦後の同盟国に依存する体制が崩れて、韓国や日本などの同盟国に対する安全保障の関係が崩れ、50年後に世界はカオスに陥る、という予言が書いてある本だ。当時、アメリカ国防省の幹部(Scientific Advisory Boardの議長)に夕食を食べながら、意見を聞いたところ、亀のような目で睨まれて、そういうことはない、と完全に否定されたが、今はどうなのだろうか。
Hard Thingsというシリコンバレーでは有名なベン・ホロウィッツ氏が書いた本を読んでいる。もともとネットスケープの幹部で、その後、自分の会社で社長を経験した後、有名なベンチャーキャピタルファンドを創業した。日本語でも出ているようだ(こちらから買える)
濃い内容だが、以下の点が実践的で特に勉強になった。
1.ベン・ホロウィッツが、投資をする際にCEOを評価するときに特にみる3つの点
(1) Does CEO know what to do (right strategy/story,
speed and quality of decision) (2) Can CEO get the company to do what s/he knows (3) Can CEO Get the desired results against objectives
(2)について、リーダーシップのスキル(後記)、正しい人材を正しい場所に配置し、社内で情報が十分に共有される環境をつくり、世界一のチームをつくり、常にチームが世界一かをチェックする能力があるかをチェックする。具体的には、例えば、従業員がミッションに貢献し、仕事を達成する環境をつくっているか、それとも、社内政治ばかりしているか。ネットフリックスが出しreference guide to freedom and responsibility cultureに具体例が書いてある。
2番目のタイプについて、ビル・キャンプベルというのは、San Francisco 49ersというフットボールのチームを弱小から最強にのしあげた伝説のコーチ。その後、Go CorporationというノートパソコンのかわりにIPADみたいな製品(ただし指ではなくペンを使う)を売ろうという会社のCEOになり、従業員が最高だと感じる会社をつくったが、市場にプロダクトがフィットするタイミングがあわず、世紀の大失敗をする。しかし、Go Corporationに大金を投資した投資家達は、ビル・キャンプベルと色々とビジネスをする。「正しい野心をもっているタイプ」というのは、会社を私物として扱うのではなく、会社のために経営をする人のこと。アメリカでは実は悲しいことに珍しいのだが、これは、ポジションが上がれば上がるほど、人は権力の虜になるからだろう。ベン・ホロウィッツは、これは生まれながらの才能で学べるものではない、と書くが、このスキルをみにつける本は色々と出ており、例えば、Ten Laws of TrustというJoel Petersenというジェット・ブルー社の会長が書いた本には、このタイプになるための方法が色々と書いてある。また別の機会に紹介したいと思う。
さて、ライバル校のハーバードビジネススクールを「工場」と批判するスタンフォードビジネススクールでは、グローブ氏の解釈するマルローのモデルは、第一学期を除いて、成立していない(ただし、これはクラスの中だけの話であり、マルローのモデルを経営のツールとして如何にして使用するかどうかということ「も」教えるクラスはある。Managing
and Building Sales Enterpriseという超人気クラスである。このクラスは色々なことを教え、グローブ氏の解釈するマルローのメソッドについては、「各セールス担当者の営業成績は公開することで、各人のモチベーションがあがるので、公開すべきである」と先生が授業中に一言述べるだけであり、別段、マルローのモデルを教えるクラスというわけではない)。スタンフォードビジネススクールでは、第一学期では、ほぼ全員退学しないかどうか必死なので、マルローのモデルが成立する。第二学期以降は、ほぼ全員が退学しないことが分かる。
これは、人生で最も大切なものは、Self-Interestだけな人には、手に入らないからである(と少なくとも私は思う)。だから、What
matters most to youという質問に、Moneyと回答したら、どんなに上手にエッセイを書いても、合格しないだろう。お金を生み出すだけのロボットはクラスメートにいても学校のカルチャーにフィットしないからである(「どのような組織であっても、カルチャーにフィットする人のみを採用するべきである」と一学期で習った)。
シュバイツァーは、以下の名言を残した。「The only really happy people are those
who have learned how to serve」(本当に幸せなのは、他の人にどのようにして与えるのか、ということを学んだ人だけである)。他の人に何かをしてあげたとき、幸せ、という感情を享受できる、とシュバイツァーは述べているのである。幸せ、という感情をもっているとき、人は、ロボット(存在しているだけ・空虚)ではなく、本当に生きており、満たされている存在となる。
Touchy Feelyが超人気授業なのは、他の人と感情をシェアしている瞬間が、自分が生きている、と実感できる瞬間だからである。もし、ある人に感情がなければ、工場で製品は生み出せても、生きている、と実感できないだろう。このような人生は空虚であり、存在しているだけである。デカプリオ主演の映画のWolf
of Wall Streetをみたことがあるだろうか。主人公は、アンディ・グローブの解釈するマルローのレベル5の段階で、突き動かされたように進んでいく。派手な人生だが、空虚である。工場でお金を生み出し、そしてその金を(セレブを呼んだプールパーティなどで)消費するマシーン。どんなに突き動かされたように進んでも、進んでも、決して満たされることはない。
・どんな人として生きていきたいのか。(何をするのか、ではなく、どういう人なのか、ということ。具体的には、例えば、正直なのか、約束を守るのか、といったことである。別の例では、Wolf
of Wall Streetに出てくるような浪費家なのか、それとも、森鴎外の小説『高瀬舟』に登場する喜助のように「足ることを知っている」のか)